トピックス

知識創造研究室 by CRM(xRM)

主役は“ひと” – 知識創造社会をCRMから考える:その 4 リードのスコアリング – 営業部門との同調

みなさん、こんにちは。
前回はリードのスコアリングが「顧客の買い時を予想する」「営業現場のリソース不足を解消する」ことを紹介しました。
今回も、リードのスコアリングをテーマに営業部門との同調についてふれたいと思います。

営業部門がリードのスコアリングに期待することは?

営業部門は、展示会/DM/ホームページ問合せ等から、引き合いの量も求めるけど、確率の高い引き合い(案件)はどれなのか?を知りたいはずです。
リードのスコアリングは、引き合いで得られた様々なデータと過去の実績等を軸に、確率や確度を算出する予測モデルをどう構築するかが大切となってきています。
予測モデルのアルゴリズム?データの正規化?など、マーケティング担当者の悩みは数知れず・・・

Azure Machine Learning との連携

予測モデルを構築することは容易でないと思っています。
そのため、機械学習の活用という手段が提供されてきています。
例えば、マイクロソフトのAzure Machine Learning
クラウド ベースの強力な予測分析サービスであり、分析ソリューションとして予測モデルを迅速に作成し、展開することができます。Azure Machine Learning ではモデルの予測分析ツールを提供するだけでなく、予測モデルをすぐに使用できる Web サービスとして展開できます。また、Azure Machine Learning は、クラウドで予測モデルを迅速に作成、テストし、運用を実現して管理します。ハードウェアを購入したり、仮想マシンを手動で管理したりする必要はありません。

Azure Machine Learning を使ってみた

Azure Machine Learning 上に引き合いのWin予想が当たっているかを予測するモデルを作成します。
予測の結論は、会社の財務状況にて前年比利益伸長率が良ければ引き合いのWinの可能性が高い、というものです。

1. 過去データを用意します
引き合いの結果WinLossと会社の財務状況に関係があると想像します。

2.検証タスクと分析する項目を選択します
Azure Machine Learningに検証タスクを追加し、分析に使いたい項目を設定します。

3.モデルのフローを作成します。
データ、検証タスクの準備ができました。
それぞれをフローでつなげます。

4.予測したい検証データを用意します。
Winの結果が想像できるものの、過去データから導かれることを期待し、それっぽいデータを用意しました。数が少ないので極端な結果になる可能性があります。

5.モデルをテストして、学習データならびに予測データを確認します。

検証タスクの結果では、前年比利益伸長率に関して結果への比重が高いことが数値からわかります。
想定できるシナリオは、過去の実績からすれば、前年比利益伸長率が100よりプラスであれば、Winになる可能性が高いということですね。


予測したい検証データから、前年比利益伸長率がプラスである「担当者名」が“徳本”のデータは予測値が0.88と高くなっていることが分かります。反対に、前年比利益伸長率がマイナスである「担当者名」が“小宮山”のデータは予測値が-0.09(マイナス値はサンプルデータの不足でしょう)と低い可能性になりました。

今回は極端な例示でしたが、データ量を増やしたり、多角的に評価するには、さらに別の観点から見ていく必要がありますが、サンプルではここまでとします。

まとめ

Dynamics CRM においても今後、標準機能により Azure Machine Learning 連携した機能が提供される予定です。今回、Azure Machine Learning 上に引き合いのWinを予測するモデルを作成しましたが、提供される機能により、Dynamics CRM のデータと連動し、画面上で予測値を確認するという方法も使用できるようになります。
営業担当者がこの予測値を参考に活動できるようになれば、リードのスコアリングが営業部門と同調したといえるようになるでしょう。
今後の、CRMとMachine Learningとの連動にも期待して、注視していきたいと思います。

この記事を書いた人
徳本 和也

関電システムソリューションズ、アバナードを経てアーティサン(アーカス・ジャパン)に勤務。
CRM導入コンサルタント、システムエンジニア。昔、尊敬する上司に「4C=奉仕の精神で頑張りなさい。」と教えられました。
その言葉を思い出して、いまは、変化(Change)が機会(Chance)を呼び、創造(Creativity)をもって挑戦(Challenge)する、そのように思いました。
皆さん一人ひとりが変化すれば、必ず将来チャンスを呼び、更なる成長を遂げるはずです。
マイクロソフト認定プロフェッショナル 、情報処理技術者(AP、FE)を持つ。

同じカテゴリの記事

Translate »